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やあ、僕はボブ。エール大卒さ。

やあ、僕はボブ。エール大卒さ。

 

私の名前は本当にボブです。でも、エール大卒ではありません。キャンパスに行ったことすらありません。実は、ハーバード大には行きました。といっても、2,3回行ったことがあるだけですが。僕の出身地から近かったですからね。実際は、ある一流大学の基幹経営人材育成プログラム(EDP: Executive Development Program)を修了しました。でも、だからといって、そのことを自慢したりはしません。

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一流大学を卒業した人はたいてい、自分の学歴を吹聴することはめったにありません。どちらかといえば、控え目です。あえて言う必要がないのです。その慎み深さや知性、自信は、内面からにじみ出てくるのです。

 

最近、ニューヨークのある医師が、私どものギャラリーを訪ねてくれました。私がボストン出身だと伝えると、彼女は、ボストンの医学校に通ったんですよ、と言いました。その言い方から、すぐにハーバード大だとわかりました。後で、他の人に確認しました。

 

最高学府を出ていても、そのことを自慢しない彼女は、とても上品だと思いました。

 

初めて出会った人が、挨拶の次に学歴のことを口にすると、いったいこの人は、他に何か価値のあることをしていないのかと思ってしまいます。もし、自慢できることが何年も前にどこの大学を卒業したことぐらいしかないのなら、いいかげんに何か他のことを始める必要があります。

 

つまり、今の生き方が充実しているということ、今の自分を大切にしているということが大事なのです。

 

つい先日、あるイベントに行き、新しい出会いがありました。その人は画家でした。

 

彼は、あいさつの次に、「僕はエール大で美術修士号を取りました」と言ったのです。

 

すごいですねえ、と感心すべきだったのしょうか? 正直言って、だから何、という気持ちになりました。私が知りたかったのは、彼が現在どんな仕事をしているか、ということなのです。何が彼の創作意欲をかきたてるのか、彼の夢は何なのか、作品や彼自身がどのように成長し、変わってきているのか、そういうことが知りたいのです。

 

大学のネームバリューを利用したくなる気持ちもわからなくはないですが、仕事で成功を収めている誠実な人には、そんなものは必要ないのです。

 

確かにその気持ちはわかります。自分のアイデンティティの源だということも。私は長年、日本の一流大学で教鞭を取ってきましたが、私が人と出会って自己紹介するときは、自分のことを物書きであり、コンサルタントであり、ギャラリーのオーナーであり、犬のオーナーです、と言います。「○○大学の元教授です」とは言いません。それは嘘ではありませんし、現在の自分の一部でもありますが、今の私の姿ではないからです。

 

皆さんには、今の自分の姿に満足し、「ボブと申します」、あるいはヨシです、グレースです、でも何でもいいのですが、そう自己紹介したら、あとは話を共有する喜びを経験していただきたいと思うのです。

 

子供の頃、サマーキャンプに参加したのですが、そのキャンプの責任者が、自分は若い頃はムキムキのスポーツマンタイプのイケメンだったと自己紹介しました。私は子供心に、ヘンな人だなと思いました。最初の印象が悪かったのですが、追い打ちをかけるように、昔の写真を見せびらかされて、辟易したのを覚えています。

 

ティーパーティのテキサス州上院議員テッド・クルーズ氏は、ハーバード大卒です。でも、彼はハーバードの恥です。ハーバード大卒と聞いたからといって、どうしようもない人間だという印象は変わりません。

 

とにかく、私は過去のあなたに興味はありません。現在のあなたに興味があるのです。あなたが過去に何をしたかではなく、今何をしているのかが知りたいのです。

 

自分のことをどのように話すか、他の人達がどのように自分たちのことを話すか、ちょっと気にしてみてください。

 

過去について話していますか? 昔の経歴や、昔はどうだったとか言っていますか?

 

あなたの学歴がすごいからとか、昔やっていた仕事が素晴らしいからという理由で、あなたに恋をしたり好意を持ってくれる人が現れたとしても、その気持ちはそう長くは続きませんよ。

 

挿絵上: 成長して、今の自分の姿を認めるには、勇気が必要です。

挿絵下: そのことが当たり前になるには、ただ、そのことを考え続ければいいのです。

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私が初仕事で学んだ夢

私が初仕事で学んだ夢

My First Job:  I Learned About Dreams

 

私がコンサルタントとして働き始めた頃の話ですが、アメリカの職業訓練校のキャリア・ディベロップメント・プログラム(生涯発達プログラム)の大規模な改善プロジェクトという仕事があり、私はカリキュラム作成を担当していました。私は成功したくて必死でした。夢があったのです。全米の学校の学力を向上させるという夢です。全米の学校を訪問して、レベルをあげるには何が必要なのかを探り出すのが私の任務のひとつでした。

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このような現場視察の後は意気揚々と事務所に帰り、同僚と協議して長い報告書を書いたものです。私は学校教育を変えたいという情熱に燃えていました。

 

そのプロジェクトは予定通り、というよりむしろ予定よりも一足早く進んでいました。チームの全員が一日一六時間以上も働き、プロジェクトの完成ために週六日出勤していたのです。あるとき上司がヨーロッパに一か月ほど出張に出かけることになったのですが、その間私たちは残った人間だけで何とかやって行きたいと思っていました。

 

しかし、代理の上司が送り込まれてきたのです。彼のリーダーシップのとり方は、私たち一人ひとりにノルマを課し、毎日特定の枚数の報告書を書かせるというものでした。毎日書いたものを終業時に回収するのですが、彼が実際にちゃんと目を通していたのかは疑問です。

 

これによって、私たちのやる気は完全にそがれてしまいました。夢を追求するために頑張っていたのですが、今や分担されたノルマをこなすだけになってしまったのです。こういう管理の仕方には私たちは本当にうんざりしました。この上司代理は、私たちと顔を合わせることもなく、感想を述べるでもなく、ただノルマをこなしているかどうかをチェックするだけでした。

 

もちろん皆、彼が設定したノルマをちゃんとこなしてはいましたが、多くのスタッフにとって、偉大な仕事を成し遂げたい、教育のために貢献したいという情熱は、消え去ってしまったのです。このノルマを課して監視するという体制は、私たちの夢を台無しにしてしまいました。プロジェクトチームを辞めた人もいますし、会社を辞めてしまった人もいました。自分たちの夢を理解しようとしない会社にいてもしょうがないと思ったのです。

 

この経験を振り返ってみると、品質の評価基準がないままノルマの達成だけを重視することになった結果、仕事の品質に悪い影響が出たのは確かです。威圧的な管理体制があったとしても、夢を追い続けることはできたかもしれない、と今となっては思うのですが、当時は目標を達成することに必死で、夢どころではなくやる気がそがれてしまったのです。

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組織において、ひたすら目標達成だけに専念させることは、信頼関係の欠如の表れです。目標を設定するのは、信頼を築くことよりもはるかに簡単なのです。

 

組織の中に信頼関係が築かれていれば、わざわざ目標を設定したり、目標を達成できているか監視するシステムを作ったりする必要はなくなります。私が常に夢を持ち続け、夢を貫きとおすことができる仕事をしようと決意したのは、その初仕事のときだったのです。

 

私はいつも顧客の方々に、夢は何ですかと尋ねることにしています。夢は魂と生きがいに通ずる大事なものだと信じているからです。

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退社時に贈られる最高の言葉

退社時に贈られる最高の言葉

The Number One Best Thing To Hear When You Leave A Job

 

仕事をやめるとき、または一時解雇やクビ(この言葉がまだ使われてるとしたら)になったとき、みんなからこんな風に言われるはずです。

 

「あなたがいなくなると寂しくなるわ」

 

あるいは、

 

「君がいなくなるとこの職場は変わってしまうな」

 

Unsubscribeあなたが物凄くイヤなやつではないという前提の上での話ですが。

 

たとえ嫌われ者であったとしても、一応社交辞令で[そしてさっさと追い出してしまうために]、上記のようなセリフを聞くことでしょう。

 

私自身が職場を去ることになったときも、どちらのセリフも言ってもらいました。「契約が更新されなかった」ところでさえも。

 

こう言ってもらえると悪い気はしないものですが、誰でも言ってもらえるさようならの挨拶がわりなのです。要は、社交辞令です。

 

また、こんな風に言ってもらえたら尚うれしいですね。

 

「素晴らしい退職手当が出ますよ」

 

現金、それも多額の現金をもらえたら、他の仕事に移るための軍資金にもなります。

 

でも、何よりもうれしい最高の言葉は、こうです。

 

「君の代わりはいない」

 

 私が転職するとき、最初の三つのセリフは言われたことがありますが、「君の代わりはいない」とは必ずしも言ってもらえませんでした。

 

コンサルティングや企業幹部のコーチングの仕事を何年かやってきて思うのは、「君の代わりはいない」というのが最後に贈られる最高の言葉だということです。

 

理由ですか? それは、あなたにしかできない貢献をしてきたことを皆が認めてくれたことの証だからです。他の誰にも与えることのできない価値をあなたが供給したことを意味します。つまりあなたは自分の強みを認識して、業務にあなたにしかできない能力を発揮したということです。

 

スポーツの世界では、何かで「一番」になることで、容易に認識できるでしょう。ジャッキー・ロビンソン選手や野茂英雄投手、ジェレミー・リン選手、ビジネス界やショー・ビジネスの世界では、スティーブ・ジョブスやウーピー・ゴールドバーグ、ドラマ「ザ・ソプラノズ」の主人公などがいい例です。

 

でも私の顧客の中にも、そういう人がたくさんいました。日本の二つのホテルチェーンを一つにまとめた方や、ある高級ブランドを立ち上げた方。ベンチャー・キャピタル企業を2,3か月で辞めて、新規事業を始めた私の教え子。私のパートナーである大橋人士氏もそのような人たちの中のひとりです。彼の写真の作品のみならず、その眼識と人格を愛するファンが大勢います。

 

あなたもそのひとりになれるかもしれません。そんなに大変なことではないのです。それには、少しの勇気を持って何かを始める必要があります。それから所属している組織のニーズを探り当て、ためらうことなくそのニーズに寄与する働きをしなければなりません。

 

自分自身と組織に対する夢を持たなければなりません。自分の会社の戦略の弱いところを見つけ、どこに価値を付加できるか判断できるようにならなければいけないのです。

 

何か例外的なことをしなければなりません。言い訳は禁物です。自分の夢が導く方向へ進むのみです。

 

どんな結果が待っているでしょうか? 大きな変化をもたらしたという満足感が待っているでしょう。

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あなたの遺産の一部となるであろう足跡を残すことになります。

 

そうなれば、職場を去るときに贈られるどんな言葉よりも素晴らしいご褒美となるでしょう。

 

でも、もし「君の代わりはいない」と言ってもらえたなら、生涯配当金がもらえる年金をもらったのと同じぐらいの大きな価値があるのではないでしょうか。

 

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次のマルコム・グラッドウェルは、あなたかも?

次のマルコム・グラッドウェルは、あなたかも?DreamBigger02 copy 3

 

マルコム・グラッドウェルという名前はご存知ないかもしれませんが、彼の著作名なら聞いたことがあるはずです。

 

『第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい(Blink)』『天才! 成功する人々の法則(Outliers)』『急に売れ始めるにはワケがある(Tipping Point)』『マルコム・グラッドウェルThe New Yorker 傑作選(What the Dog Saw And Other Adventures)』はどれもベストセラーとなりました。私も大ファンで、皆さんもぜひ読まれることをおススメします。

 

 

彼の新作『ダビデとゴリアテ(David and Goliath)』はすでにベストセラーのトップを走っています。私も絶対に読むつもりです。

 

というわけで、今回のブログのタイトルと相成りましたマルコム・グラッドウェルとは、どのようなことをしているのでしょうか?

 

1.誰もが知っている物語を取り上げて、全く新しい解釈をする。

2.読者を奮い立たせる。読者に、物事を違った角度から見るように促し、考えさせる。

 

ポール・リビア物語? 彼はポール・リビアの良い点とその影響に焦点を当てて伝記を書き直しました。英国の進撃は、ポール・リヴィアに影響力とカリスマ性があったためだった、と述べています。

 

ダビデとゴリアテ? 単に少年が巨人を打ち負かす話ではありません。優れた技術、つまりパチンコの勝利の話なのです。

 

もうお分かりでしょう。

 

もし皆さんが次のマルコム・グラッドウェルになろうと思ったら、以下のようなことをしなければなりません。

 

1.本をたくさん読むこと。たくさんの物語を頭に入れること。

2.従来の解釈を鵜呑みにしないこと。

3.有名な物語に全く違った解釈を考えること。その新しい解釈から得られる教訓を明らかにすること。

4.似通った物語や出来事の中にあるパターンを見つけること。

5.強くなること。ひたすら強くなること。

 

初めのうちは人から頭がおかしいんじゃないかと言われるのを甘んじて受けてください。マルコム・グラッドウェルの小学校の先生たちは大変だっただろうと思いませんか? 先生が生徒たちに何か話をしても、マルコムが全く違う解釈をしてしまうのですから。先生方はたまったものではなかったでしょう。でも彼は耐えました。皆さんも耐えなければいけません。

 

6.物語の全く新しい別の解釈を人々に伝えること。

一対一で、また友人や先生に、あるいはテレビに出演したり本を書いたりして、とにかくできる限りの手段を使って人々に伝えましょう。皆が学ぶ手助けをし、奮起させて楽しませるのです。

 

さあ、すぐに始めましょう。

 

でももし次のマルコム・グラッドウェルになれなかったらどうしたらいいのでしょう?

 

上司にあなたの物の見方を伝え、パートナーにあなたが発見したニッチ市場(市場のすき間)のことを話しましょう。有能なコンサルタントになれるはずです。自分の考えを聞いてくれる人を自分で探すのです。

 

lightbulb_idea[1]先生や教授になることもできます。人の物の見方を変えることができるのです。世界を変えるための一歩を踏み出していることでしょう。

 

以上が、グラッドウェルの本の一番良い部分だと思う点です。彼は読者に全く別の新しい観点から物事を見ることを勧めています。

 

そうすることによってどのようなご褒美が待っているのか、実例を示しています。

 

彼は、他の人々とはまったく違った見方であったとしても、自分自身の世界観を信じるよう鼓舞してくれるのです。

 

初めのうちは、人はあなたのことを気が狂ったと言うかもしれません。でも最後には、開拓者とか天才とか呼ばれるようになるかもしれないのです。

 

もし次のマルコム・グラッドウェルになれなかったとしても、自分の知識を大きく広げるための一歩を踏み出し、大きく前進したことになるのです。

 

 

 

 

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暮らしのキュレーターとしての六か条

暮らしのキュレーターとしての六か条 

私の友人Jが、先日訪ねてきて、耳慣れないことを言いました。

「君の暮らしぶりは、キュレーターのようだね」と。

This comes with curating

私は、自分や他人の生活をそういう風に考えたことはありませんでしたが、その考え方がたいそう気に入りました。友人の訪問以来、キュレーターという考え方は、自分の生活を考える上で素晴らしい方法なのではないかと思い続けています。

美術館や画廊の館長(キュレーター)が、展示するのに最適な作品を選定するのと同じように、私たちは皆、自分の生活に展示するのに最適な品、場所、人を選ぶことができるのです。

美術館や画廊の館長は、決してガラクタを選びません。貴方達もガラクタは選ぶべきではないのです。

自分の暮らしに関わる事は、何であっても、最高のものを選ぶべきなのです。高価である必要はありません。実際のところ、ガラクタをたくさん買い込むよりも安上がりかもしれないのです。

貴方も、自分の暮らしのキュレーターになりたいですか? それならぜひ、次の六か条を試してみてください。私にとっても、生活を管理する上で、重要な要素となっているものです。

第一条    最高の食べ物を食べましょう。

ジャンクフードはダメです。ということは、ポテトチップスもダメですし、ファーストフードもダメということです。肉類を減らしましょう。アメリカの作家、マイケル・ポラン氏はこう書いています。「腹八分目を心がけ、野菜中心の食生活を送りましょう」と。

私自身、ソフトドリンクやマクドナルドは封印しました。ステーキを食べると頭痛がします。自分の体に悪いとわかっているものを、どうしてわざわざ食べるのでしょう? 最近、健康診断を受けに行ったのですが、コレステロール値が2か月で20ポイントも下がりました。うれしかったですね。

また、食べ物がどこからやってくるのかも気にかけるべきです。私は、フォアグラやフカヒレスープは食べないことにしています。自分のために、がちょうが肥満にさせられるなんて嫌ですし、サメもヒレを切り取られて海に投げ戻されるなんて、我慢できないからです。ウォールマートでも買い物はしないようにしています。ウォールマートの従業員の扱いはひどいと思うので、ウォールマートには一銭たりとも渡したくありません。

第二条    お気に入りの場所に住みましょう。

 

心に潤いを与えてくれる町に住むことです。行きたいと思うイベントや場所がある町に住みましょう。大学院時代の友人は非常に保守的な町に住んで居て、二十年以上もの間、引っ越したいと思い続けていました。最終的には引っ越したのですが、休暇だけが生きがいの生活を二十年間も我慢し続けたのです。

確かに、インターネットの発達した今日では、コンピュータがあればほとんど何でも見つけることができます。でも、やはり本物とは違います。

交響曲が好きなら、コンサートホールが近場にあるところに住みましょう。私は映画が好きなのですが、うれしいことに今の家から徒歩圏内に映画館が2軒あります。

家に帰るのが楽しみになるようなアパートや家を選びましょう。ホテルの部屋にも同じことが言えます。節約したいからといって、たとえ2日間でもしけたホテルに泊まる必要はありません。

三条 貴方の家を自分の城にしましょう。

ガラクタや散らかった物を処分しましょう。座り心地の良いソファを置いてください。ダイニングテーブルに物を積み上げるのもダメです。そして、最高の食器で食べるべきなのは、家の主である貴方です。お客さま用にしまっておく必要はありません。紙皿など、もっての外です。

 

家具はそんなにたくさんは必要ありませんが、自分のライフスタイルに合った家具を選ぶべきです。我が家では、バルコニーがお気に入りの場所で、食事をしたりおしゃべりをしたり、犬と遊んだり、かなりの時間をそこで過ごします。バルコニーに置いている屋外用の家具が、大活躍しています。

 

壁には、アートを飾りましょう。美術館の館長の話をしたところだから、画廊のオーナーだから言っている訳ではありませんよ。私がこう言うのは、アートは生活の質を向上させてくれるものだと固く信じているからです。アートは、創造力を掻き立て、幸福感を増してくれるものなのです。家に帰れば、アートが迎えてくれる生活というのは、気分の良いものです。

 

植物もいいですよ。私はサボテンが大好きで、バルコニーにたくさん置いています。

 

第四条 自分に似合う服を選びましょう。

 

カラフルで、気分が良くなるような服を選びましょう。

 

タンスの肥やしになっているような絶対に着ない服や着られなくなってしまった服はさっさと処分してしまいましょう。気に入った所に引っ越すたびに、要らない物を捨てるか、人にあげるか、時間があればネットオークションで売ってしまいましょう。

 

きつすぎる服やゆるゆるゆるの服など、合わない服を着る必要はありませんし、足が痛くなるような靴や、磨いたことのない靴を履く必要もありません。

 

身なりが整うと、気分も良いものです。タンスの中を整理しましょう。センスがないのなら、友達に助けてもらいましょう。私自身、ファッションセンスはあまりない方なので、Hにアドバイスをもらっています。

 

私と同じぐらいの年格好で、お腹のボタンがはち切れそうなシャツを着ていたり、ズボンがずり落ちてお尻の割れ目が見えてしまっているような人を見かけたら、私はなるべく避けて通るようにしています。

 

第五条 嫌な人とは縁を切りましょう。

 

好きでもない人や信頼できない人、また貴方のことを評価してくれない人とつきあわなければいけない理由はありません。自分にとって最高な人とつきあいましょう。嫌な人と縁を切れば、良い人が現れます。しばらく時間はかかるかもしれませんし、一気にばっさりと切り捨ててしまう必要はありませんが、心から一緒にいたいと思う人たちとつきあうべきなのです。それはつまり、イエスと言う時は言う、でももっと大事なことは、ノーと言うべき時はきっぱりノーと言う、ということを意味します。

 

私が本の出版契約が取れたのは、最高の編集者と最高のエージェントを見つけたことが大きかったと思います。かつては、私の著書をあまり気に入っていない編集者と仕事をしていました。一体、なぜ彼女と仕事してたのか、今となっては不思議です。 彼女と縁を切った途端に、良い編集者が現れました。

 

親戚にも友達にも、同じことが言えます。好きだと思えない人と一緒に時間を過ごすことはありません。感謝祭やクリスマスの時でさえ、です。

 

人当りは完璧で知的ではあるけれども、信頼できない友人や過去に囚われすぎている友人とは疎遠にすることにしました。昔の恋人の写真を取り出して、まるで今でもつきあっているかのように見せびらかす人もいましたが、その人は、前に進むことができずにグズグズしていたので、結局、私から去ることにしました。

 

私たちの画廊の顧客にも同じことが言えます。顧客が私たちを選ぶように、実は私たちも顧客を選んでいるのです。私たちの仕事を十分に評価してくれる人に買ってほしいと思っているのです。

 

第六条 好きな仕事をしましょう。

 

嫌いな仕事で苦しむ必要はありません。時間は限られているのですから、好きな仕事をして過ごすようにしましょう。確かに、お金を稼がなければなりません。

 

しかし、自分の仕事やそのやり方が、エネルギーを奪い、消耗させてしまうようなら、そろそろ変え時なのではないでしょうか。ここ東京で出会う人たちは、会議でスケジュールが埋め尽くされています。トイレに行く時間もないのではないかとびっくりします。彼らはいつも忙しくて、彼らの行動を見ていると、まるで変える力も残ってないかのようです。

 

読書が好きなら、本を読んでください。貴方が好きなこと、喜びをもたらしてくれることなら何でもいいからやってください。もちろん、嫌でもやらなければいけないこともあるでしょう。歯医者に行ったり、食器を洗ったり、アイロンをかけたりというように。でも、そういう事はすべて、自分の面倒を見ることだと思えば、楽しく思えるようになるものです。

 

以上の六か条をぜひ試してみてください。始めるのは今日です。人から、最近どうしてる?と訊かれたら、自分の生活の管理をしている、と言ってください。

 

最高の人たちなら、その意味を理解してくれるでしょう。

 

もし、それはどういうことか?と訊かれたら、「暮らしてる、ってことですよ」」と答えればいいのです。

 

本当の意味での暮らしです。

 

 

 

 

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What Are You Doing To Make Work Fun : 楽しく仕事をしてもらうための方策は?

仕事は真剣に取り組むべきであるという概念を打ち破るのは、難しいことです。

どこかのオフィスビルには、まるで「楽しむこと厳禁」という張り紙でも掲げられているのではないかと思ってしまいます。あるいは、「笑ったものは即懲戒処分に処す」という張り紙でも貼ってありそうです。

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私は、職場に笑い声が響いているのが大好きです。お腹を抱えて笑っている人を見るのなど最高です。

ある顧客は、重要業績目標や歯磨き粉の販売キャンペーンについて話すとき、まるで外科医がトリプルバイパス手術について話しているかのような深刻さで話すのです。地下鉄に乗っている通勤客などは、強制収容所に向かっているかのようです。考えてもみてください。四六時中、そんなに真剣である必要があるでしょうか?

私は、社内に「お楽しみゾーン」を設けたらいいのではないかと思っています。いっそのこと、全社を「お楽しみゾーン」にしてしまったらいいのではないでしょうか?

仕事で費やす時間はとても長いのですから、楽しんだ方がいいでしょう? 生産性は落ちないと誓います。むしろ、上がると誓ってもいいです。

それでは、一体どうしたら良いでしょう?

まず、皆を驚かすことから始めましょう。会議のテーブルの上に、何か食べ物を置いてみるのです。食べる事が嫌いな人はいないはずですし、みんなリラックスすること請け合いです。

グーグルが社員に無料で食事を提供するのにはちゃんと理由があるのです。ある同僚がケーキを1台差し入れてくれたことがあったのですが、他の教授らのびっくりした顔は忘れることができません。ケーキがハワイへの往復航空運賃代ぐらいしたのか、ぐらいの驚きようでした。

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カジュアル・フライデーやカジュアル・ドレス・デーなどを設けている企業は多いですね。それなら、ドレスアップ・フライデーというのがあってもいいんじゃないですか?

このようなものも、それなりに効果はありますが、日常的にもっと楽しんでもらいたいなら、一連の規則を思い切って無くしてしまいましょう。

「それは規則違反だから」という言葉ほど、楽しみを台無しにしてしまう言葉はないからです。分厚いルールブックほど、人々の幸せに水をさすものはありません。

職場での行動はどうあるべきかについて、ルールブックの型にはまった考え方をしてはいけません。

従業員にもっと自由を与えてごらんなさい。そうすれば、従業員はもっと楽しく働いてくれるはずです。競争会社に引き抜かれることもなくなるでしょう。従業員からも顧客からも愛されているサウスウェスト航空やザッポスの例を思い出してください。

私が仕事をしたことのあるクライアントの一人は、職場で私的な電話をかけたり個人的なeメールをチェックしたりする従業員を処罰していました。彼は、その従業員の人事ファイルに、この違反行為を記した文書を貼り付けました。まるで子供を扱ってるみたいじゃないですか! それなのに彼は、従業員にもっと職場で楽しんでほしいと私に相談してくるのです。そして、クリエイティビティ・コンサルタントを雇いたいとも。

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「お金の無駄遣いですからおやめなさい」と私は彼に言いました。

毎日、職場で楽しむことを目標にしましょう。

今日も明日も。毎日です。是非やってみてください。

(挿絵の英文訳: 上:楽しむこと厳禁、中:ドレスアップ・フライデー、下: 是非やってみてください)

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安定性の問題

安定性の問題: The Problem With Safety

「この仕事は安定してるし、保障もされています。それはわかってるんですよ。給料もいいですし」

もう何の刺激もなくなってしまった仕事を辞めずに続けようと言う人は、決まってこんな風に言います。転職しないで好きでもない仕事を続けることの言い訳です。

そういう人たちは、いつかは転職するよと言います。いつか? あとどれぐらい生きられるかわかっていますか? いつ死ぬかわかってるのでしょうか?

永遠に生き続けられるとでも思っていますか?

勇気を出して自分の凝り固まった考え方から脱出するチャンスは、日々転がっています。はまってしまった溝から脱け出すチャンスが転がっているのです。

新しい友人を見つけることもできます。友達のパーティで知り合った好人物に電話をすることもできます。読書の時間を見つけることもできます。噂の生ガキを食べることだってできます。

roppongi-breakfastjpeg-013 でも、そんな時、何かが足を引っ張ります。「忙しすぎるから」とか、「タイミングが悪いから」とか、「前にもやったことあるから」と自分に言い聞かせてしまうのです。それこそ、言い訳を考え出したらきりがありません。私たちの足を引っ張る本当の理由は、実は、勇気の欠如です。私たちは、ある一定の生活パターンに慣れてしまうと、それを変える勇気が持てないものなのです。もちろん、リスクもあります。それだけではなく、報酬もあるからです。

しかし、勇気の欠如は、独特の苦痛を生み出します。作家であり、心霊治療師(スピリチュアル・ヒーラー)であるスティーブン・レヴィンは、こう言っています。

「安定性とは、最も危険な心霊的道です。安定性は、あなたの感覚を鈍らせ、頭を働かなくしてしまいます。人は、死ぬ時になってみて愕然とするのです。自分をあまりにもわずかしか生かさなかったことに」

 

 

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経費削減や改革を考えていますか? それなら、まずトップが手本を示しましょう

私の顧客にジェイク・キンケイドという人物がいます。彼は、日本のある製薬会社の社長を務めていました。私はその会社の職場の諸問題についての相談を受けました。

ジェイクは経費削減を実行したかったのですが、日本人の部下たちのことがさっぱり理解できないとぼやいていました。従業員が改革に抵抗すると言うのです。社員に経費削減を実行させたくても、なかなかうまくいかないと言うのですが、それは一体なぜでしょう?

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ジェイクは、お抱え運転手付きの車を使っていましたが、従業員の中に不満の声があることを聞きつけました。お抱え運転手付きの車は社長の特権で、毎朝自宅まで迎えに来て、誰かとの会合があれば送迎し、夜は家まで送り届けていました。その運転手は、ジェイクの奥さんがヨガやエアロビクスなど習い事に出かける時や、鎌倉の友達に会いに行く時にまで駆り出されていました。

ジェイク夫妻は、運転手が待機してぶらぶらしているよりはいいだろうと考えたのです。何しろ、車は社長の特権だし、自分に裁量権があると思っていました。

私もその車についての不満の声を耳にしたので、彼にそう伝えました。その車は、会社における不公平の象徴となっていたのです。従業員たちは、社長がこの高価な特権を手放さない限り、自分たちも経費削減の必要はないはずだと主張しました。でも、ジェイクはなかなか手放そうとしません。結果、彼は特権にしがみついたまま、数ヵ月後に経費削減を断念し、今度は従業員を削減し始めました。予想どおり従業員のやる気は急降下し、最も優秀な頭脳の何人かが、会社を辞めて行きました。1年後には、ジェイク自身も会社を去るはめになりました。

もしあの時、ジェイクが車をあきらめて、他の従業員と同様に電車やタクシーを利用するようにしていたら、社内改革を受け入れてもらうのはもっと容易だったでしょう。さらに、従業員に経費削減を実行させ協力させるための研修費やコンサルタント料だって節約することができたはずなのです。

経費削減や改革を考えていますか? どのように行動すれば、効果的で良い手本を示すことができるのでしょう? 自分自身がどう変わればいいのでしょうか?

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仕事って、こんなはずではなかった? 理想の仕事を手に入れるためにまずしなければいけないこと

私の新しい顧客である佐藤ケン氏(仮名)は、テーブルの向こう側から私の目を正視し、「仕事って、こんなはずではなかったんですが」と訴えてきました。

大抵の人は、ケンを成功者だと思うでしょう。若干37歳にして、誰もが成功と呼ぶものを手にしていました。私達二人がそのとき座っていたのは、東京で最も新しい高層ビルの39階にある重役会議室で、巨大なマホガニーのテーブルをはさんだ10万円の椅子だったのですから。にもかかわらず、大手の保険会社の社長という立場にありながら、彼はちっともうれしくありませんでした。自分の仕事人生をもっと改善したいと真剣に訴えてきたのです。

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彼は、仕事とはこうあるべきという理想を持っていました。でも、現在の仕事はその理想とはかけ離れていました。そんな大会社の社長であることは、一見素晴らしいことに思えますが彼に言わせると、1つ問題が解決すればまた別の問題が起きる繰り返しなんだそうです。

夜中の会議電話もあれば、政府規制機関の調査もあり。収益性が上がっても下がっても理由についてアナリストと話し合ったり、その地区の最高経営責任者からひっきりなしに送られてくるeメールにはすべて「緊急」と書かれていたり、といった具合です。あまり忙しくない日もありましたが、そんなときは逆に退屈でした。

社員のことも、ほとんど自分が雇ったにもかかわらず、嫌いなんだそうです。封建的すぎるか無能だと言います。彼に言わせると、上司が一番ひどいらしいです。上司のことを「管理狂」と呼んでいました。シンガポールからでも、一々うるさく指示してきたそうです。

最初の頃は、ケンの話は大変ショッキングでしたが、今ではもう慣れました。ケンみたいな人は、そこら中にいます。銀行家、弁護士、医者、準教授、ハイテク実業家などなど、皆、いわゆる高収入の錚々たる職業についていましたが、一様に「こんなはずではなかった」と思っています。忙しすぎる、暇すぎる、ごたごたに悩まされている、能力が十分に生かせていない、大きなプレッシャーを抱えている、勉強が足りない、などなど。要するに、「こんなはずではなかった」、理想の仕事人生とは程遠いと思っているのです。

ほとんど皆、他に何が出来るのか、どんな打開策を講じればよいのか、悩んでいます。「考えなくてもいいように忙しくしています」という人や、「眠れない」とか「その悩みが頭から離れない」という人もいます。「転職したい」という人もいれば、「仕事は好きなんだけど、上司が嫌い」という人もいます。「顧客、売主、あるいは従業員にムカつく」という人もいます。

でも私は、転職は勧めません。転職は一般的な解決策なのでしょうが、転職したからといってうまく行くとは限らないからです。これまで何度も見てきた経験からして、転職しても、一年以内にまた以前と同じような問題に直面しています。根本的な問題を解決しない限り、同じような不平不満の繰り返しなだけです。

休暇を取ることも勧めません。休暇は、ほんの一時的な解決策でしかなく、状況は何も変わりません。ほら、休暇明け一日もすれば、前と何も変わらなくなるでしょう。顧客の中に、毎週末、東京を離れて温泉や高級ホテルで過ごす人がいます。「仕事は地獄。だから逃避しないと」と言って。温泉や高級ホテルは楽しい所ではありますが、その旅行は楽しむためというよりも、むしろその週のことを忘れることが目的になってしまっています。そんなことをするよりも、「もっと自分が満足できる働き方を考えたらどうでしょう」と私は提案します。

また、「ひどい家族ですね」とか「イヤな上司ですね」などとも言いません。誰でも自分を支えてくれる人が必要ですし、色々な人たちとうまくやっていく術を身につける必要がありますから。上司や顧客、そして仕事仲間とうまくやっていくことは、仕事の重要な一部です。

その代わりに私は、もっと理想の仕事を手に入れることはできるし、希望通りの仕事人生を手に入れることは可能なんだということを伝えています。ケンやその他大勢のケンのような人たちに対して、私は初っ端から非常に厳しい事を言いました。それは、根本的な問題点は自分の心の中に潜んでいるということです。

そうです。すべて原因は自分にあります。でも、なかなか素直には受け入れがたい考え方でしょう。

私達は得てして、自分の状況を固定観念にとらわれて判断しがちなのです。

原因はあなた自身にあります

私はよく、どうして理想通りの仕事人生を歩んでいない人がいるのだろうと不思議に思っていました。彼らは賢くて、あらゆる能力を備えていますし、高学歴で高収入、院卒です。実際、彼らにはすべてが備わっているように見えます。理想通りの仕事をすべきではないですか? もっといい人生を歩むべきではないでしょうか? 何といっても、仕事が人生に占める割合は大きいですから。

しかしながら、彼らは得てしてキャリアが第一、自分自身は二の次と思っています。考え方が逆です。まず第一にしなければいけないことは、自分自身を良く知ることです。それが理想の仕事を手に入れるための基本です。

新しい顧客には、必ず「どんなことをしたいですか? どのような仕事人生が理想ですか?」と尋ねるようにしています。まるで計算機を使わずに複雑なアルゴリズムを解いて下さいと言われたかのように、ほとんどの場合、答えはこうです。「さあ、わかりません。何がやりたいんでしょう?」

「理想はあるんですが、絶対に無理だと思います」という顧客もいます。「妻がそんな仕事に就くことは許してくれません」とか、「そんな仕事に就いたらホームレスになってしまいますよ」などと言う人もいます。でも、今は何が障害かを考えてる場合じゃありません。今こそ、自分の本当の願望は何なのかを考えるべき時なのです。

信念を変えることも、認識を広げることも可能です。過去でもなく未来でもなく、今この瞬間の現状を自覚して、今の信念や生活を一旦やめてみる心構えが必要です。

自分の理想を忘れてしまった人もいるでしょう。理想を叶えるなんて、絶対に無理だと思いこみ、心の中にしまいこんでいる人もいるでしょう。仕事が忙しすぎて、何がやりたいのか考える余裕がなかったという人もいるでしょう。自分の理想を人に話すと、実現できなかったときに失望されてしまうかもしれないと尻込みする人もいます。

「何がしたいか、よくわかりません」と言われても、私は信じないことにしています。いとも簡単にそう言いすぎます。そういう人は大抵、自分の理想が何か、本当はよくわかっているのです。あるいは、少なくともかつてやりたかったことはわかっています。でも、理想を持っていることを認めてしまうと、それを叶えるために行動を起こす責任が生ずるので、認めないのが安全策なのです。認めないで、理想を心の中にしまい込み、「わかりません」と逃げているのです。

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[イラスト内の訳文]

「次はいつ休暇を取ろうかなぁと考えるより、逃避する必要のない人生にすべきなのかもしれません」 セス・ゴーディン

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Business CommunicationPresentation Skills

発表においてやってはいけない6つの間違い

皆さんは、これまでに人の発表を何度も見てきたことでしょう。私もそうです。うまいな、素晴らしいなと感心することもありましたが、正直下手だなと思ったことも少なくありません。もう少し違う形にできなかったのだろうかと思うこともありました。「この人は、発表の前に訓練とか練習とかしなかったのだろうか?」と観客席で疑問に思うこともたびたびです。そういう場合、案の定全く練習していなかったということが大半だと思いますが、練習したことはしたけれど、という場合もあります。

誰だって、上手な発表を見たいし、自分もしたいでしょう。もっとうまく発表できるようになるために、自分にとって、そして聞き手にとって、何が効果的か、何が逆効果かのリストを作るといいです。以下に、やってはいけない6つの間違いをご紹介します。今度発表する際には、これらの間違いを犯さないことを目標にしてみてください。

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1.目をスクリーンに向けること。ほら、聴衆がちゃんといるんですよ。目は聴衆に向けなければいけません。じっと正視する必要はありませんが、目の前にいる聴衆に語りかけるようにしましょう。

2.スライドを読むこと。いやいや、これは絶対にダメです。スライドを読むのはもってのほかです。見るならメモにしましょう。でも、用意した原稿通りに読んだらダメですよ。スライドの内容は、一々読みあげなくても、聴衆はちゃんと自分で読めます。

3.発表に集中すること。そうしなければいけないと思っていませんでしたか? 確かに、発表に集中することは必要です。でも、それよりもはるかに重要なことは、聴衆に神経を向けることです。聞き手に合わせて発表内容を変えるぐらいの心積もりでいなければいけません。臨機応変にやることです。情報を発信するばかりに気を取られるのではなく、聴衆の気持を読むことにも神経を集中しましょう。

4.スライドに完全な文を書くこと。文は必要ありません。フレーズで十分です。それも、短いフレーズです。スライドは、聴衆のためにあるのであって、話し手のためにあるのではありません。スライドに書かれていることを、貴方の言葉で内容をふくらませばいいのです。

5.プロジェクターやスクリーンの前に立ちはだかること。スクリーンの前に立ちはだかってしまったら、当然聴衆は良く見えません。お客さんから身振りで合図してもらわない限り、自分で気付くのは意外に難しいです。モニターを使えば、どこに立つのが一番いいか、分かると思います。

6.友人や仲間に感想を聞くこと。感想を聞くことは、何事においても上達する上で非常に有効だということは承知の上です。でも、こと発表に関しては、別物なのです。仲間が正直な感想を述べてくれると期待してはいけません。仲間は、次回自分が発表する段になった場合、貴方から優しい感想を述べてもらえるように、貴方に対しても優しい感想しか述べてくれないと考えた方がいいでしょう。試しに、これらの6つの間違いをあえてやってみてください。その後に、間違いを完全に改めてみてください。みんなが「素晴らしい発表でしたよ」と自分から言いに来てくれるでしょう。それも本心から、ね。

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