退社時に贈られる最高の言葉
The Number One Best Thing To Hear When You Leave A Job
仕事をやめるとき、または一時解雇やクビ(この言葉がまだ使われてるとしたら)になったとき、みんなからこんな風に言われるはずです。
「あなたがいなくなると寂しくなるわ」
あるいは、
「君がいなくなるとこの職場は変わってしまうな」
あなたが物凄くイヤなやつではないという前提の上での話ですが。
たとえ嫌われ者であったとしても、一応社交辞令で[そしてさっさと追い出してしまうために]、上記のようなセリフを聞くことでしょう。
私自身が職場を去ることになったときも、どちらのセリフも言ってもらいました。「契約が更新されなかった」ところでさえも。
こう言ってもらえると悪い気はしないものですが、誰でも言ってもらえるさようならの挨拶がわりなのです。要は、社交辞令です。
また、こんな風に言ってもらえたら尚うれしいですね。
「素晴らしい退職手当が出ますよ」
現金、それも多額の現金をもらえたら、他の仕事に移るための軍資金にもなります。
でも、何よりもうれしい最高の言葉は、こうです。
「君の代わりはいない」
私が転職するとき、最初の三つのセリフは言われたことがありますが、「君の代わりはいない」とは必ずしも言ってもらえませんでした。
コンサルティングや企業幹部のコーチングの仕事を何年かやってきて思うのは、「君の代わりはいない」というのが最後に贈られる最高の言葉だということです。
理由ですか? それは、あなたにしかできない貢献をしてきたことを皆が認めてくれたことの証だからです。他の誰にも与えることのできない価値をあなたが供給したことを意味します。つまりあなたは自分の強みを認識して、業務にあなたにしかできない能力を発揮したということです。
スポーツの世界では、何かで「一番」になることで、容易に認識できるでしょう。ジャッキー・ロビンソン選手や野茂英雄投手、ジェレミー・リン選手、ビジネス界やショー・ビジネスの世界では、スティーブ・ジョブスやウーピー・ゴールドバーグ、ドラマ「ザ・ソプラノズ」の主人公などがいい例です。
でも私の顧客の中にも、そういう人がたくさんいました。日本の二つのホテルチェーンを一つにまとめた方や、ある高級ブランドを立ち上げた方。ベンチャー・キャピタル企業を2,3か月で辞めて、新規事業を始めた私の教え子。私のパートナーである大橋人士氏もそのような人たちの中のひとりです。彼の写真の作品のみならず、その眼識と人格を愛するファンが大勢います。
あなたもそのひとりになれるかもしれません。そんなに大変なことではないのです。それには、少しの勇気を持って何かを始める必要があります。それから所属している組織のニーズを探り当て、ためらうことなくそのニーズに寄与する働きをしなければなりません。
自分自身と組織に対する夢を持たなければなりません。自分の会社の戦略の弱いところを見つけ、どこに価値を付加できるか判断できるようにならなければいけないのです。
何か例外的なことをしなければなりません。言い訳は禁物です。自分の夢が導く方向へ進むのみです。
どんな結果が待っているでしょうか? 大きな変化をもたらしたという満足感が待っているでしょう。
あなたの遺産の一部となるであろう足跡を残すことになります。
そうなれば、職場を去るときに贈られるどんな言葉よりも素晴らしいご褒美となるでしょう。
でも、もし「君の代わりはいない」と言ってもらえたなら、生涯配当金がもらえる年金をもらったのと同じぐらいの大きな価値があるのではないでしょうか。